Nasic Release ナジックリリース | 教育界における注目テーマごとに、各界の有識者の方々のご意見・ご提言を掲載した提言誌

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ナジックリリース第25号<BR>(2014年9月1日発行)

特集:「キャンパス進化論」

 

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人材育成

強い「個」を育成し、世界に発信 二〇二〇年に向けた人材育成 (明治大学 学長 福宮賢一)

一八八一年に明治法律学校として創設以来、一三〇年余の歴史を刻んできた明治大学。「権利自由」「独立自治」を建学の精神とし、各界に広く有為の人材を輩出してきた。二〇一一年に策定した「明治大学グランドデザイン二〇二〇」に基づき、今後、グローバル社会に求められる人材をどのように育成していくのか。二〇一二年四月に就任した福宮賢一学長にお話を伺った。



「グランドデザイン二〇二〇」実現のために

―― 明治大学は二〇一一年三月に「明治大学グランドデザイン二〇二〇」を定め、一〇年後のビジョンと今後の方向性を示されました。達成に向けてどのように取り組まれていくのか、お考えをお聞かせください。

福宮学長(以下、敬称略) 明治大学は二〇一一年に創立一三〇周年を迎えました。これを機に、本学が二〇二〇年に果たすべき役割を踏まえて策定したのが、「明治大学グランドデザイン二〇二〇」です。この中で、納谷廣美前学長は、明治大学を「世界に開かれた大学」にするというビジョンを描き、「世界に発信する大学」を目指すという目標を立てました。その成果を継承・発展させるべく、私は二〇一二年四月に学長に就任し、「次代を拓き、世界へ発信する大学」という学長方針の下、教育研究や社会貢献などにおいて質的な飛躍を遂げるためのプログラムを推進し、グランドデザインの実現に向けて取り組んでいるところです。


――創立一三〇周年記念施設整備計画の一環として、二〇一三年春、新たに中野キャンパスが開校します。

福宮 中野キャンパス開校に伴い、四つのキャンパスはそれぞれ独自の役割を担うことになります。 駿河台キャンパスは明治大学のシンボルとして、国際評価と国際競争に耐え得る「世界に発信する大学」というキャンパスイメージを担うことになるでしょう。また、理系の学生が集まる生田キャンパスは「知を創造し発信するガーデンキャンパス」として、国内外の地域や社会と連携し、活気あふれる自然科学系教育の拠点を構築します。和泉キャンパスは、教養教育と初年次教育の拠点として、学びを動機付け、習慣化するための教育プログラムを開発し、「人と自然にやさしいキャンパス」を目指します。 これに対して、「国際化、先端研究、社会連携の拠点」としての役割を担うのが、今回新設される中野キャンパスであり、国際化をリードし、広く社会に貢献する「グローバルコモン」を実現させます。



中野キャンパスの特色


―― 中野キャンパスでは、どのような教育研究が行われるのでしょうか。

福宮 中野キャンパスの特色を物語るものの一つに、二〇一三年度から中野キャンパスに移る「国際日本学部」(学部開設は二〇〇八年度)の存在があります。この学部は、「クール・ジャパン」として注目される日本文化や社会システム、それらの国際的な情報発信を教育研究の対象としています。具体的には、漫画やアニメ、ゲームなどのポップ・カルチャーを中心とする研究領域など、多彩な研究領域に沿ったカリキュラムを用意しています。また、世界中から留学生を受け入れるとともに、英語教育にも力を入れており、日本人学生と留学生とがともに学びながら、世界に向けて日本の魅力を英語で発信する役割を担っていきます。 そして、中野キャンパスの開校に合わせて新設される総合数理学部は、二〇〇八年度文部科学省グローバルCOEプログラムに採択された「現象数理学の形成と発展」の研究・教育拠点である大学院先端数理科学研究科から誕生した学部です。大学院の研究科が先に生まれ、その後に学部ができたという点で、明治大学としてはユニークな成り立ちを持っています。 総合数理学部のキーワードは「自然を解く。社会を解く。人間を解く。そして、新しい世の中を創る。」であり、その鍵となるコンセプトは自然や社会などあらゆる分野に数理科学と情報技術を応用して新たなモデルを創造し、発信すること。つまり、人間の行動や社会経済の動きをモデル化し、分析結果と現実とを突き合わせながら体系化していくわけです。この学問を応用すれば、失業問題を数理的に解析して有効な経済政策を導き出したり、大気の動きをスーパーコンピュータでシミュレートして地球規模の天候予測に活かしたり、といったことが可能になります。こうした教育研究を通じて社会貢献を目指すのが、総合数理学部です。 この他、中野キャンパスには大学院理工学研究科建築学専攻の国際プロフェッショナルコースも新設し、英語による講義や演習を中心に展開していきます。このように、中野キャンパスには先端研究および国際化の拠点としての役割を強く期待しています。



今の時代だからこそ真価を発揮する建学の精神


―― 明治大学は「個を強くする大学」「都心型総合大学」を標榜し、創立一三〇周年にあたって、「世界へ―『個』を強め、世界をつなぎ、未来へ―」というコンセプトを掲げておられます。

福宮 創立者である岸本辰雄、宮城浩蔵、矢代操の三人は、フランス法学を学び、一八八一年に明治法律学校を設立しました。その際、建学の精神として打ち立てたのが、「権利自由」「独立自治」です。これは、「自由・平等・博愛」を謳うフランス革命の思想を継承するもので、「互いの基本的人権と自由を認め、自立した個人を確立する」ことを意味しています。 「基本的人権を認める」ということは自分だけの権利を主張するのではなく、世界中の人々の基本的人権を認めるということです。グローバル化時代には地球上のどこかで起こったことがインターネットなどを通じて瞬時に全世界に伝わり、大きな波及効果をもたらします。こうした時代には互いの多様性を認め合い、世界中の人々と平和や豊かさを共有しながら共生できる人材が求められています。その意味で、本学の建学の精神は、グローバル化が進んだ今こそ大きな意味を持つのではないかと思うのです。 こうした人材を育てるためには、まず、論理的な思考能力を養うことが肝要です。多様性に富む人々に自分の考えを理解してもらうためには、論理的で説得力のある話し方ができなければなりません。それと同時に、人間として尊敬される存在であることも重要で、そのためには豊かな教養を幅広く身に付ける必要があるのです。専門知識に加えて豊かな人間力を育み、多様な環境の中で、しなやかにたくましく生き抜いてほしい。そうした人材を育てて世に送り出すことが、本学の目標です。



競争力強化のためひたすら前進し続ける


―― 明治大学グランドデザイン二〇二〇では「多様な環境の中でも高度な専門的能力を発揮できる人材」「リーダーシップにより『個』をつなぎ、変革を推進できる人材」の育成が目標に掲げられています。

福宮 まずは、国際化に対応できる人材の育成が急務です。そのための資金として、本学は二〇一二年度、文部科学省の競争的資金を三件獲得(採択)することができました。例えば、その一つは、明治大学・立教大学・国際大学の三大学が連携して申請し、採択された、「国際機関等との連携による『国際協力人材』育成プログラム」です。他の二件をあわせると、四年半で一〇億円以上の補助金をいただくことになります。これを最大限に活用し、留学生の受け入れや送り出しを積極的に進めながら、国際化に対応できる人材育成に努めたいと考えています。


―― 今後に向けて、新学長としての意気込みをお聞かせください。

福宮 おかげさまで、明治大学は近年、多くの志願者を集めております。しかし、本学ではそのこと自体を目標にしてきたわけではありません。明治大学では二〇〇四年以降、学部・大学院を通じて様々な改革を行い、その成果を対外的に発信する努力を続けてきました。その結果、教育研究における取り組みが社会に認知され、本学の良さが広く理解されるようになったのではないでしょうか。そうした成果が志願者数の増加につながったのだとすれば、これは大変喜ばしいことです。 しかし、改革への努力や仕掛けづくりは今後も継続していく必要があります。なぜなら、改革によって明治大学の競争力が向上すれば、それが数年後に到来する「一八歳人口の急減期」を乗り切るための基礎体力となるからです。今すぐにでも体力増強に乗り出したいところではありますが、現実には大きな組織を動かして改革を進めることは容易ではありません。前途には様々な困難が立ちふさがることでしょう。しかし、学長室のスタッフには常日頃からこう言い続けています。「『できない』と言うのはやめよう。『どうやったらできるか』をひたすら考え、立ちはだかる壁をよじ登っていこう」と。 昨年(二〇一二年)四月、本学は宮城県気仙沼市と震災復興支援の協定を結んだのですが、気仙沼市役所を訪問したとき、入り口の柱に掲げられたある言葉が目を引きました。そこには「出来ませんとは言いません」と書かれていたのです。やはり、そういう気構えがないと改革を断行することはできないのだと、大いに励まされた次第です。


―― 最後に、社会に出て活躍する卒業生に向けてエールをお願いします。

福宮 本学の卒業生には独特のカラーがあり、企業の皆さまからは高い評価をいただいております。社会に出れば、様々な困難に直面すると思いますが、明るさや笑顔を忘れず、「できない」と言わずに努力していただきたい。大いに頑張ってほしいと思います。

 

 

ナジックリリース第24号・記事一覧

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レポート 「甦れ!日本 高校生アスリート作文コンテスト」