Nasic Release ナジックリリース | 教育界における注目テーマごとに、各界の有識者の方々のご意見・ご提言を掲載した提言誌

ナジックリリース最新号のご案内

ナジックリリース第25号<BR>(2014年9月1日発行)

特集:「キャンパス進化論」

 

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ナジックの学校支援事業

ナジックの
学校支援事業

教育機関および各機関との連携をはかりながら、学生のための環境づくりを目指しています。

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よりよい教育環境の創造を目指して。学校・教育機関のみなさまに対するナジックのサポートはさまざまな分野に広がっています。

学生マンション・学生寮の管理運営
全国の大学・専学校との提携を
活かした募集活動
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就業体験・アルバイト情報
・就職情報の提供

 

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就業力育成・キャリア教育

学生と教員、双方のニーズに応えるキャリア支援 (麻布大学 学生部就職課 課長 高橋 徹)

〜交通整理役としてのキャリアアドバイザー〜

好きなこと、やりたいことと仕事が結びつかない。就職してみたけれど、
こんなはずじゃなかった……。就職にまつわるミスマッチは後を絶たない。
教員全員のヒアリングからニーズを把握してミスマッチを解消。
学生のキャリア・デザインをサポートする、新しいキャリア支援が始まった。
 

麻布大学学生部就職課課長
高橋 徹氏

 

時代にフィットした キャリア支援とは

業界や各企業の情報を提供するだけの「就職支援」なら、もはや学生は望んでいない。
ニートと呼ばれる若者の急増が問題視されている昨今、価値観の多様化やモチベーション低下が目立つ学生に、大学がどう働きかけていくか――時代にフィットしたキャリア教育の構築を模索している大学は多い。

 

学生一人ひとりにスポットを当てた キャリア形成支援



麻布大学(神奈川県相模原市)では、昨年度から「キャリア形成講座」の開設や就職課内に「キャリア相談室」を新設して、学生のキャリア形成支援のための体制整備に取り組んでいる。

キャリア形成講座は、キャリア形成の必要性を学生に早い時期に自覚してもらうために開設したが、好評だったので本年度からは1講座増設されることとなった。

今後は、キャリア形成の視点から、キャリア形成講座とは別に、各授業の中で授業の内容がどのような職業と関係し、社会とどのような繋がりがあるかを意識した授業が、より一層求められてくると考えている。

キャリア形成支援の目標について、同大学就職課課長・高橋徹氏は次のように語る。

「本学のキャリア形成支援の目標は、『学生が、自らのキャリアを、自らが形成できるよう支援する』ことです。この目標達成のために、学生に自分というものを理解してもらうことが、キャリア形成支援の第一歩と考えています。

また、自らがキャリア形成をするためには、指示待ち型から自律型の人間へ改革する必要があることを気づかせ、自ら考え、学び、行動する習慣を身につけてもらうよう助言をしています。学生一人ひとりにスポットを当てたキャリア形成支援を目標にしています。

『仏作って魂入れず』や名称だけ変更したキャリア形成支援組織にならないよう御仕着せのキャリア形成プログラムや出来合いのパッケージ的なキャリア形成支援ではない本学の学生一人ひとりのためのオリジナルのキャリア形成支援プログラムの開発を模索しています。

キャリアアドバイザーには、学生個々人にあったキャリア形成支援ができるように、学内の研究室のヒアリングを行い、学生の置かれている状況を正しく 理解した上で、専門家の立場で血の通ったキャリア形成支援を行うことを依頼しています。その効果は徐々にですが現れてきていると考えています」
 

キャリアアドバイザーが常駐

キャリア相談室は、従来の就職相談室とは別に設けられている。就職相談室では3、4年生(獣医学科は5、6年生)を中心に、エントリーシートの書き方や面接試験の予行練習、グループディスカッションなど、具体的かつ実践的な指導を行ってきた。

一方のキャリア相談室は、主に1、2年生を対象とし、将来の進路を見据えた上で学生生活で何をするべきかやそのためにどんな準備が必要かなど、キャリアと学生生活を結んだ視点での支援を行っている。

キャリア相談室には、株式会社ナジック教育ソリューションから派遣されたキャリアアドバイザーが2名常駐している。2人は開設にあたって、麻布大学の学科と進路の特性を徹底的に理解することからはじめたという。

同大学のような専門性の傾向の強い大学に「一般論」だけでは通用しないと判断したからだ。そのため、専門教育を担当する研究室の教員全員にヒアリン グを実施。大学で学ぶ専門教育と、実社会での仕事がどう結びつくのか、また実際にうまく活かした事例があるのかなど、詳細を確認した。

その結果、研究室で学ぶ専門教育についてのみならず、教員の就職についての捉え方や支援の工夫などを聞くことができた。

キャリアアドバイザーの一人、宮田祐子氏は次のように語る。

「一口に就職といっても教員によって考え方は様々です。私たちが現状を把握し、キャリア形成の観点から専門分野を選ぶ助言をする。

言ってみれば学内の交通整理をすることで大学時代をキャリア開発の時期として有効に活用できるように支援することができるのです」

もう一人のキャリアアドバイザー、大神光江氏も続ける。

「相談業務というと学生のニーズばかり集まりがちですが、教員の方にヒアリングしたことで教員側の進路についての情報を全体で共有することが可能になりました。学生との窓口というだけでなく、教員への窓口につなげるようになったことは、大きな収穫でした」


一歩先の学生支援

この4月からは本格的に1年次の支援活動が開始され、毎日数組の1年生がキャリア相談室を訪れるなど、利用者も増えている状況という。キャリアアドバイザーの2人に抱負を聞いた。

「教えるのではなく、学生の話をよく聞く。この基本を忘れずに学生に接したい。よく聞いてみると、進路で悩むというより、もっと深いところで悩んでいるケースが多い」(大神氏)

「好きなことと仕事が結びつかない。そうした学生のジレンマを、少しでも軽減するのが私たちキャリア・アドバイザーの仕事だと思います」(宮田氏)

学生のキャリア形成支援の推進役だけでなく、教員・学生・キャリア相談室という三者が一体となった、新しいネットワーク構築に踏み出した麻布大学。学生支援、就職支援で、一歩先を進み始めているようだ。

 

大学改革提言誌「Nasic Release」第12号
記事の内容は第12号(2005年5月15日発行)を抜粋したものです。

 

ナジックリリース第12号・記事一覧

“一人ひとりを大切に”真の学生満足を (学校法人麻生塾 専務理事 古野金廣)


学校法人と個人情報保護法 〜個人情報保護で学校法人の「品位」を保つ (株式会社イーエムエスジャパン シニアコンサルタント  深田博史)


大学スポーツでコミュニケーション能力を獲得 (明治大学硬式野球部監督 川口啓太)


学生と教員、双方のニーズに応えるキャリア支援 (麻布大学 学生部就職課 課長 高橋 徹)


同窓会の一体化で教育理念の強化を目指す (玉川学園・玉川大学 同窓会事務部長代理、玉川学園 同窓会事務局長 宮川正)


「新しい産学連携教育の形」を目指すキャリア開発プログラム (亜細亜大学アジア夢カレッジ推進室部長 加藤伸吾)


多様な価値観が豊かな人間性を育む (神戸大学 学長 野上智行)


大学はガバナンスの整備を急げ! (オリックス株式会社 会長兼グループCEO 宮内義彦)


格付けが対話力を上げる (株式会社日本格付研究所 シニア・アナリスト 殿村成信  チーフ・アナリスト 吉田法男)


競争力の高さが信用獲得のカギに (スタンダード・アンド・プアーズ  事業会社・公益事業格付部 上席アナリスト 吉村真木子)


ミッションを重視した評価で個性を引き出す (財団法人日本高等教育評価機構 原野幸康 伊藤敏弘)


評価文化が大学改革を動かす (独立行政法人 大学評価・学位授与機構  評価研究部長 川口昭彦)


実績に裏打ちされた客観性で質的向上に貢献する (財団法人大学基準協会 澤田 進)